テレビ山梨番組審議会だより

第536回 番組審議会議事要録

開催日時
7月16日(火) 午後5時
開催場所
山梨県立やまなし地域づくり交流センター 大会議室
委員の出席

委員の総数 8名
出席委員数 8名

【出席委員氏名】
安達 義通  委員長
泉田 友紀  副委員長
浅川  徹  委員
佐藤  弥  委員
杉田 真一  委員
手島 俊樹  委員
伏見  彩  委員
堀内 麻実  委員

【放送事業者側出席者】
原田由起彦   代表取締役社長
金丸 康信   相談役
鈴木 淳郎   常務取締役
駒沢 克昭   取締役報道制作局長
横打  恭   編成局長
番組審議会事務局

番組審議会
審議事項
「TBSの番組について」
審議、意見の概要
■ニュースについて
【news23】
●都知事選に関して、ニューヨーク・タイムズの“サーカスが街にやってきたのか”という報道も例にとり、異常であり公職選挙法を見直す必要性を総括していた。こういう話題になったことをちゃんと整理して、次に入れていくのが大切だ。
●都知事選に関しては、分析も甘くインフォーマティブな情報は少なかった。取材は若者に偏っており、媚びているようにも感じた。

【報道特集】
●これからも独自の視点と多角的な取材で真実を追究する報道を期待している。

【サンデーモーニング】
●司会が変わり、灰汁が抜けた感を好意的に捉えている方もいると思うが、番組を長く観てきた者にとっては物足りなさを感じる。淡々とした進行で意見交換が少なく、視聴者に訴えかける力が弱くなったと思う。
●喝やあっぱれが名物とはいえ、拘り過ぎるのもどうか。新しく起用した方々が個性を生かし臨機応変に立ち居振舞える番組づくりをしてほしい。
●司会が変わって見やすくはなったと感じるが、番組の個性も減った気がする。解説員が何かしら意見を述べているのが、この番組の特徴であり良さであると思う。広く浅くというよりは話題を掘り下げて色々な方が議論するような内容を期待している。

■情報番組について
【情報7daysニュースキャスター】
●世界や日本各地で起こった一週間の出来事を分かりやすく丁寧に伝えてくれる情報番組。特に印象的だったのが、DJのように、関連した内容が次々につながっていく番組編成だった。気づきあり、学びあり、ちょっぴり笑いもあり、素晴らしい番組だと感じた。
●安住紳一郎、三谷幸喜という異端のMCコンビが面白い。コメントでかき回す三谷さんに対し、安住さんが冷静、当意即妙に対応している。教員不足の特集ではふんだんな現場取材で現状や課題を多角的に分析し、FOCUS「音の力を暮らしに生かす」では、まだあまり注目されていない研究の紹介に挑み、刺激的だった。来日した歌手への特別なプレゼントを村上隆らに依頼した企画には驚愕した。出演者、スタッフが本気で、かつ、楽しみながら番組を作っていることが画面から伝わってくる。
●安定感のある安住アナと軽妙な三谷幸喜さんのMCで、肩の荷を下ろしてみることができる内容だ。単なるニュースとは異なり、関連する事項を含んでゆったり放送している感じがする。

■ドラマについて
【9ボーダー】
●自身の人生や過去と向き合いながら、自分事として楽しめる内容だと感じた。金曜の夜22時で、休日前のオンとオフが切り替わるちょうど良い時間帯の放送だと思う。最終回の「選択できる生き方」というフレーズが、まさに現代らしく、このドラマが伝えたかった本質なのかもしれないと感じた。

【アンチヒーロー】
●勧善懲悪というわかりやすいストーリーではなく、競争が激しく、犯罪者に冷たく、不公平な現代社会においては、正しい目的のためならある程度手段を選ばない「アンチヒーロー」が必要ではないか、というメッセージには驚きつつも考えさせられた。正義とは何か、法とは何かということを深く考えさせられる本格的なドラマだった。人間社会の不条理とそのなかで正しさを実現させる方法を問うこういったドラマはもっと作られるべきだと思った。長谷川博己と野村萬斎の演技が素晴らしくキャスティングが光っていた。

■バラエティ・その他について
【マツコの知らない世界】
●どのように探してくるのか、驚くような経験を持つ人々をよく集めてくるものだと感心してしまう。マツコさんの反応も、大変面白くもあり、言葉がきついときもあるが、やさしさで紹介していることが心地よく感じられる。

【人生最高レストラン】
●巧みに掘り下げながらも奇をてらわず、こういう話がとても楽しい。本人が店を訪れて食事を前に思いを語るような取材があってもいいのでは。
●スタジオに料理が出てこない、めずらしいグルメバラエティ。MCの加藤浩次と「女将」の島崎和歌子らが、くだけた雰囲気のなかでゲストの素を引き出すのも面白い。
●グルメ番組は非常に多いが、この番組は他とは一線を画し、食を通してゲストの人柄や人生にスポットを当てるというコンセプトが面白い。献立の紹介をしながらゲストが辿ってきた道のりを浮き彫りにする点や、紹介する店には苦労していた頃の安価な店が含まれている点は、視聴者にとって受け入れやすいものと感じる。MC陣のユーモアを交えながらゲストの飾らない心情を上手く引き出す進行や、料理を紹介する映像への拘りなども、番組に好印象を与えている。

【がっちりマンデー!!】
●MCやゲストが視聴者の突っ込みを代弁し、素朴な疑問を問いかけてくれる。内容が難しくなく、日曜日の朝に気楽に見られて気に入っている。

【世界遺産】
●「山と海との間のカリオカの景観」は、濃厚な色合いの山や奇岩と張り付くように広がる白い建物とのコントラストが特徴的な独特の光景から映像が始まり、とても興味深く視聴することができた。歴史的な背景もわかりやすく紹介され、カメラアングルにより視点を誘導させられ、丘や海岸など都市周辺の人の手が加わって発達してきた文化的景観がより魅力的に捉えられた。心地よいナビゲーターの語り口とともに土曜の夕方を楽しむことができた。

以上